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スタッフに起因するリスク、対応できていますか?店舗のためにスタッフが自ら動き出すための育成6ステップ

リスクポイント

●店舗やお客さまのために動いてくれる(資質がある)スタッフばかりを雇用できる訳ではない

●スタッフが一つの組織・チームとして機能するための前提は、「組織の三要素」(①共通の目的・目標、②コミュニケーション、③貢献意欲)

●さらに、コミュニケーションを強化する6つのステップを踏むことで、スタッフが自ら動き出すことにつながっていく

スタッフが機能するための基本

店舗を運営されているオーナーや店長にとって、スタッフがどれだけ店舗のため、ひいてはお客様のために動いてくれるかどうかは、最重要課題の一つではないでしょうか。もともと、そうした資質のあるスタッフを雇用できればいいのですが、そう上手くはいきません。では、どのように教育していくのかをこのコラムでは6つのステップで解説していきます。

前提として、ここでは「組織の三要素」という考え方を紹介します。店舗のスタッフが一つの組織・チームとして機能するためには下記の三つの要素が必要だと言われています。

 ①共通の目的・目標

 ②コミュニケーション

 ③貢献意欲

簡単に言えば、店舗の目的・目標を理解し、それをいかに実現するのかというコミュニケーションがとられており、一人ひとりがその実現に向けて主体的に取り組んでいる状態です。このためのステップを踏むことでスタッフが店舗のために動き出すことにつながります。

スタッフが自ら動き出す6つのステップ

ステップ1:店舗の目的を伝える

目的を伝えるとは「何のために」を伝えるということです。このお店を利用してもらうことで、お客様に何を与えていきたいのか、どうなってほしいのかを伝えます。実際のお客様とのエピソードを伝えられるとスタッフもイメージが湧きやすくなります。

 

ステップ2:良好な関係性を築く

スタッフは感情のある人間であり、命令したことを忠実にこなすロボットではありません。何を指示されるかも重要ですが、誰から指示されるのかの方が重要です。オーナーや店長の考えを理解してほしければ、まずはスタッフのことを理解することから始めましょう。スタッフの趣味や好きなことに興味を持ってコミュニケーションを取ることがおススメです。

 

ステップ3:長所を見つける

オーナーや店長とスタッフの間には大きな意識の差があります。その結果、スタッフの至らない点ばかりが目に付くことも多いものです。ただ、短所ばかりを指摘されているとスタッフは意欲を失い、より短所が目立つようになります。あえて長所に目を向け承認することで認めてあげることも必要です。長所2:短所1の割合で伝えてあげるといいでしょう。

 

ステップ4:「働きやすさ」より「働きがい」を持たせる

多くのスタッフは「いかに楽に、いかに稼ぐか?」に目が向いていることが多いでしょう。だからといって時給を上げたとしても、その分頑張るかといえばそうではありません。働くことの喜びを教えていく必要があります。それは達成感や成長実感、お客様や店長からの承認です。いかに「働きがい」を持たせられるかを考えてみましょう。

 

ステップ5:テンションを上げる

どんなスタッフでもテンションが高いときもあれば、低いときもあります。そのテンションによって物事の受け止め方や行動は大きく変わりますし、基本的にはテンションが高いときの方がパフォーマンスは高いはずです。いかに仕事を始めるとき、仕事中にスタッフのテンションを高められるかを考えてみましょう。

 

ステップ6:役割を与える

スタッフにとって「誰にでもできる仕事」を与えられてこなしているのか、「自分だからできる仕事」を任せられているのかで意欲は大きく変わります。店舗の中で何かしらの役割を与えられ、貢献実感を得られることが仕事の活力につながります。ステップ3の長所を活かせる役割を与えてあげるとよいでしょう。

 

6つのステップを紹介させていただきましたが、いかがでしょうか。一夕一朝でできるものではありませんが、継続して取り組むことで必ずスタッフの方々にも変化があるはずです。このコラムが一人でも多くのスタッフの成長につながり、店舗やお客様のために動き出すきっかけになれば幸いです。

宇城 孝佑

株式会社ベイル 代表取締役
中小企業の人材マネジメントに関するコンサルティング・研修において、業界経験14 年、延べ10,000 人以上を対象に研修を実施。1,500 店舗加盟の大手FC(おそうじ本舗)にて加盟店向け研修を担当。現在は100 店舗以上の整骨院に対するコンサルティング、研修を担当。